蘇鉄

なお、記事内にリンクが貼ってあってもアフィリエイトではない(なぜなら、アフィリエイトを理解していないため)。

高齢者・認知症患者向けこんな携帯あったらいいのにな

認知症になったり、新しいことを覚えるのが難しかったりする高齢者用の携帯(通信デバイス)って無いの?とずっと思っている。あるところにはあるんだろうか。

ただ、「高齢者」とひとくくりにするにはあまりにいろんな状態・状況の人がいるので、ここでは私の祖父・祖母(80代)を想定してこんな携帯があるといいのにな、というのを考えてみる。

 

欲しい機能
・ 電話(電話帳登録3件くらい)
・ GPS
・ 充電が長持ちする(1週間以上)

不要な機能
・ メール
・ インターネットの検索・閲覧機能
・ 操作しないと消えない通知
・ なんなら液晶も不要

 

こんな感じだろうか。
※なお、これは私の想像するもしも話であり、実現不可能だとかここが現実的じゃないとかそういうのは脇に置いて考えている。

 


高齢者の関係者(家族・同居者・入居施設)がSOSの先として最低限登録されていたら何かあっても当人がすぐ電話をかけられるのでよさそう。物理ボタンにマッキーで「○○(息子の名前)」とか書いて、ここを押したら電話直通!くらいのわかりやすさで。そうなると形状としても物にあたってとかの不意な発信を避けるためにやっぱ二つ折り最強説が……。

あとこれは実例だが、高齢者(身内)、電話料金が携帯>固定電話であることを絶対に覚えないので、家族ではない知人・友人とのびっくりするほどの長電話を発信するなどしており、不要なギスギスが生じている……。プランを見直したらいいのか……?
急ぎの内容でないなら、家の外=周囲の安全が確保されていないかもしれない、メモ取れないかもしれない、というような場所で電話の発信・受信をするの自体ちょっと危ないというのもある。普通に固定電話の近くで座って電話してほしさ。

 

そもそも、発信機能はあんまり重要でないかもしれない。
当人が異常事態を察知して電話でSOSを発することができればそれはもちろんいい。溝に落ちて身動きが取れない、歩いていてここがどこかわからない、の時に電話を発信してくれたらなんとかなるケースはあるかもしれない。

 

ただ、そういう時に必ずしもSOSを自発的に出せるとは思わないから、当人よりはむしろ、周囲が高齢者当人の異常事態(行方不明とか)を察知した時に当人を辿れるようなデバイスがあったらいいなという感じ。

 

電話が鳴りさえしたら、当人が「なんか音がしている→これは電話だ→電話を取ろう」になるかもしれないし、周囲が「あの人着信音に気づいていない→なにかおかしい→声をかけてみようか」になるとかの展開があるかもしれない。
だからGPSが欲しいし、充電が切れたら困る。*1

電話の着信も、関係者として登録済みの電話番号だけが可能とかに設定できたらオレオレ詐欺の心配しなくて済む。登録済み以外全部着拒、あるいはせめて音が鳴らないようにし、履歴の通知も出さない。

 

メール・ネットの検索閲覧・通知は本当に不要。こんな煩瑣でスパムと広告だらけのものを使いこなすことは不可能だし、何より当人が「何かわけのわからないものがいっぱい出る」と思った時点でそのデバイスに対する恐怖や不信感を抱いてしまう。ストレスの元でしかない。
あらゆる通知の類は、通知が出てもその内容や仕組みを理解・処理することが困難な人にとってはパニックのトリガーに他ならない。

 

液晶も、「高齢者が外出時に閲覧できるサイズの液晶を高齢者に持ち歩かせる」ということが不可能な時点で不要だと思う。いちいち老眼鏡かけなきゃ文字が読めないサイズの液晶、あるだけ無駄だし、読ませて操作させようというのは更に無理だ。

 


考えてみると、これは高齢者当人が契約するというより当人の介護や保護の責任がある人が当人に持ってもらうという仕組みのデバイスだなと思う。こういうのがあったらいいのにな。

 

……あと、やっぱこうして書いてみるとセコムの「みまもりホン」がコンセプトとしてかなり近い。ただ、シンプルに「セコム呼びたいわけではない」のでな……。当人の居住地の近くにセコムがある人は、月2,500円くらいで、携帯一台契約する&何かあった時に自分以外の誰かが急行してくれる、というのを考えると十分検討できるサービスだと思う。あとこれ、デバイスに防犯ブザー的な物理ストラップがついてて、いざという時の操作が明快なのいいなと思って見ている。

(回し者ではない、マジで一回検討したが、田舎過ぎて普通~に自分(か家族など)が行った方が100%早いので不採用)

 

*1:高齢者にGPSを持ってもらう取り組み、例えば靴にGPSをつけるとか杖にGPSをつけるとかいった方法があるのは知っていて、その上でなお追い切れない(靴を履かずに家を出た、違う靴を履いた、杖を持たずに出た、落とした……)ケースがあるのも承知ではある。